合気道と日常生活—身体の使い方を学ぶ

コラム

合気道で行われている基本的な動き、稽古の内容は「合気道が上手くなるため」とか「強くなるため」「特殊なチカラを得るため」とイメージされる方もいらっしゃると思いますが、実は日本の日常的な動きであったり、生活動作に直結しているものだと私は思っています。

例えば、近年日本でも椅子の生活が日常的になってきていますが、畳の上で正座する、立ち上がるといった動作だけでも、足首の柔軟性、足の指の関節の柔軟性が保てます。また畳から「立ち上がる」という動作だけでも結構十分な筋トレにもなっています。

私自身もしばらく稽古を休んでいた後、久しぶりに受け身をとり、立ち上がり、また受け身をとり、立ち上がりという稽古を1時間もすると、次の日太ももが筋肉痛になったこともあります。それだけの運動が行われています。

また、合気道の基本の中には膝行と言い、座ったままで移動する動作がありますが、これをするだけでもさらに足首のストレッチや、下肢の筋力トレーニングにも繋がります。

スポーツジムに行ってウェイトを使い、スクワットする必要はありません。合気道の基本稽古の中に日常的に必要な柔軟性と筋力トレーニングの要素が詰まっていると思っております。